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大阪市西淀川区 Sビル 外壁補修
2018.12.17
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施工箇所
南面外壁ALC塗装 北面剥離タイル補修・交換 西面共用廊下補修
外壁塗装
上塗り:アステックペイントジャパン シリコンフレックスⅡ
下塗り:アステックペイントジャパン ホワイトフィラーA
使用色
外壁:9020 エクリュ
コーキング工事
外壁ひび割れ補修 外壁目地
工事期間
2018年7月19日~8月10日
担当営業
小林正弘
ご依頼のきっかけ
OBのお客様
その他工事
タイル貼替え工事
外壁欠損部の下地補修を行いました
補修跡が気になる場合は、完全に消すことはできませんがパターン(模様)の復旧もできます
フィラーで下塗りをします。フィラーは微細なひび割れ、凹凸や段差、ピンホール(表面の細かな穴)がある場合、表面を平滑にしたり穴を埋めるために使用します。
「シリコンフレックスⅡ」で中塗りをします
この塗料は一般のシリコンよりも汚れが付着しにくく、美観性の保持に向いており、またカビや藻の発生を防ぐ機能も入っております。
上塗りをします。色は「9020エクリュ」です
今回は、大阪市西淀川区のアパートにて屋上防水工事を行っていた際に大阪北部地震が起こり、追加で発注を頂いた案件です。
地震により外壁にはひび割れが発生し、タイルはめくれ落ちてしまいました。
こちらで使用されている外壁材はALCボード、一部でタイルを貼り付けている仕様となっていました。
ALCボードとは、珪石(けいせき)、セメント、生石灰、石膏、アルミニウム粉末で構成された素材であり、別名「軽量気泡コンクリート」とも呼ばれる外壁材です。
別名の通り気泡が多く含まれており、空気を多く含んだコンクリートとなっています。空気を多く含んでいるので遮音性・保温性・耐火性に優れた外壁材です。
しかし、気泡が多いという事で吸水性も高いものとなっています。ALCボードにひび割れや欠損ができてしまうと、その箇所から一気に水が拡がってしまいます。その為、このALCボードは塗装による防水処理が必要になります。
外壁タイルに関しては、高級感がある一方で値段が高いイメージがありますが、他の建材に比べてタイルそのものの耐久性が高いのでメンテナンス費用を抑えることができ、長く建物を持たせることができます。
他の建材とは違い、タイルが1枚ずつ重なっているので、重厚感を感じることができ、また耐久性に優れ劣化しにくいのはもちろんですが、高温で焼き固めたタイルはその硬さも特徴のひとつで、キズがつきにくく丈夫です。
外壁タイルは、乾式と湿式の2種類の施工方法があり、外壁への貼り付け方が異なります。
湿式工法は、モルタルを使って壁に貼る方法で、木造のセメントモルタル下地に貼ったり、マンションの外壁にも使われています。
乾式工法は、ベースサイディングを通気工法で施工してからタイルを貼る方法で、貼り方は引っ掛ける、接着剤で接着する、などがあります。
タイルは、土や石を約1300℃の高温で焼き固めたものです。元の素材の「土」「石」は、全く劣化せず永久的に残る材料ですので、タイル自体も耐久性に優れ、強い日差しや風や雨にさらされても変色や劣化がしにくいという特徴があります。
また、吸水率が約1%と大変低く、外壁にとって大敵な「雨」から建物を守ることができます。また、寒冷地区では外壁材に染み込んだ水分が凍結して膨張し、外壁にひび割れや破損が生じることがありますが、吸水性の低いタイルではこのような被害の心配はほとんどありません。
素材自体が耐久性に優れたものなので、建物自体も耐久性が非常に高くなります。
耐震性についてはタイル自体が硬いため、破損してしまう心配はあまりありません。万が一破損してしまっても部分的に補修でき、他の建材よりも補修が簡単です。
しかし、接着剤の役割をしている下地のモルタルは弾力性に欠けているので、建物の動きに追従できない可能性があります。モルタルが建物の動きを吸収できないと、タイルに負担がかかり、結果として浮きや剥がれが発生する恐れがあります。定期的に点検をおこない、確認することが大切です。
外壁タイルは、非常に耐久性が高く、汚れ・色あせ・変色にも強いため、タイルそのものを交換するといったことは滅多にありません。しかし、タイル同士をつないでいる目地の部分(コーキング)は、劣化していくので10年を目安にメンテナンスが必要です。
外壁タイルを使用する外壁に起こる不具合としては、タイルのひび割れ、目地のひび割れ、タイルの浮き、壁の汚れの4つが主に発生しやすいです。
日射と放冷による表面温度変化で起こる膨張・収縮の繰り返しとその重さにより、タイルが欠損・欠落したり、浮いたりという不具合が起きると考えられています。
外壁のタイルに不具合が出た場合、他の箇所でも同じ症状が起きている可能性が高い為、何故その不具合が起きたのかという原因を調べる必要があります。
理由としては、1箇所起きているということは最低四方は同じ影響を受けている、また、その欠落した1つにつられて落ちる可能性が極めて高いからです。
現在、インターネット上では内・外壁タイルの補修の方法が多く掲載され、だれでも容易に市販の接着材を手にいれ、つなげたり、張り替えたりができます。
そのため、浴室のタイルや、玄関のタイルなどを自分で補修する方も少なくありませんが、外壁に使用されるタイルはDIYで行うには難しい箇所です。
発見方法としては、目視で判断か、打診棒といって先端に丸い球のついた棒で壁をなで、その音の出方で不具合が起きているかどうか調べます。
多くの業者はこの方法を使用して、事前調査を行い、その結果、補修が必要と診断された箇所の修復工事を行います。
今回、現地にて調査を行った際に目立った劣化は主にALCボードの目地付近の欠損でした。
そもそも建物は四季の温度変化や地震などの外的要因により常に動き、微小ながら揺れています。その揺れや動きに追随して吸収してくれる役割を果たしているのが目地となっています。しかし、今回の地震により目地が揺れを吸収しきれずにひび割れや欠けなどが発生してしまっていました。
また、塗装面についても劣化が進んでいましたので、補修後に塗装工事も行いました。
今回、外壁塗装で利用した塗料はアステックペイントの【シリコンフレックスⅡ】という塗料です。
【シリコンフレックスⅡ】とは、従来のアクリルシリコンをしのぐ高い対候性のある塗料です。さらに経済性、美観性、安全性など多くのすぐれた機能を有する塗料となります。
一般のシリコンよりも、汚れが付着しにくく、美観性の保持に向いており、またカビや藻の発生を防ぐ機能も入っております。
外壁などは一度汚れても、雨などで汚れが流れてしまえば問題ありません。しかし、汚れが染み込んでしまうと、取れない汚れになってしまいます。この汚れの染み込みを防ぐ機能のことを低汚染性と呼び、シリコンフレックスはこの低汚染性に優れています。
タイルについては揺れにより外壁との接着が弱くなり、浮いてきている箇所が多々見受けられました。今回の施工により、浮いてきている箇所はすべて剥がして、下地を調整し、新しくタイルを張り直しました。
今回行った打診調査ですが、こちらのようなALCボードの上からタイルが貼られている物件の場合、正常な状態でもタイルが浮いたような音がするので分かりづらくなっています。
しっかりとした知識、技術をもった施工店にお願いしましょう。