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西宮市N様邸 外装劣化診断
2018.3.9
今回は、西宮市にて外装劣化診断を行いました。
まず初めに外装劣化診断とはどのようなものなのかをご紹介させて頂きます。
外装劣化診断とは、『外装劣化診断士』という有資格者が行う診断の事です。
お住まいの現状を私たち専門家だけではなく、施主様にも知って頂くためにビデオカメラにて屋根・外壁・屋根裏・バルコニーの診断を行います。
その際に、ただビデオを撮影するだけでなく診断士が素材の特徴及び現状からどのような破損に繋がる恐れがあるのかを説明させて頂きます。
その撮影したビデオを施主様にテレビをお借りし、ビデオカメラと接続し共に見て頂きます。
屋根裏まで診断する理由と致しましては、屋根の破損はないが雨漏れしている場合があります。雨漏れしている場合ですと、屋根裏の野地板に雨染みが出来ていたり腐食が始まっておりますので屋根裏の診断も必要となります。
診断が終わりましたら、リフォーム図面を作成するためにお住まいの図面をお借りする、もしくはコピーさせて頂きます。
リフォーム図面とは新築の際に作られた図面とは別に、塗装の為の図面となります。
外壁塗装をする際は、お住まいの開口部(窓・サッシ)は塗りませんので、㎡数を引かなければなりません。
なぜそこまで細かい数字を出すの?と御質問を頂きますが、塗装で必要な事は塗装の際の塗料の缶数となります。どの塗料も1缶で塗れる㎡数はメーカーが指定をしっかり出しております。ですので、お住まいにあった塗料缶数が足りない場合、仮に20年持つ塗料でもその効果を発揮できず、10年で傷んでしまうケースが全国でも数多くあります。
もちろん、塗料缶数が少なければ全体的なコストは下がります。しかし、家を守るためにはやはり必要なコストがかかり、なぜかかるのかの整合性が求められます。
ですのでリフォーム図面を作成し私たちはもちろんの事、施主様にも㎡数・必要缶数を理解して頂く必要があります。
いつも私たちがお伝えさせて頂く例えがあります。病院をイメージして下さい。
病院に行きますとまず医師の診断を受けます。その診断結果で適切な薬・量が渡されます。
ですので、診断からリフォーム図面の作成というものは、必要となります。
今回は弊社のHPをご覧いただきお問い合わせ頂きました。施主様のお住まいは10年程前に訪問会社様で外壁の塗装工事のみを行っており、屋根は塗装をしておりませんでした。壁に隙間などが出来てきたため工事の時期となり、数社から御見積を取得されておりました。
HPをご覧頂き、正確な診断をしてもらったことがない、是非してもらいたいということからお問い合わせを頂きました。
コーキングの劣化や塗膜の剥がれ
サイディングボードの隙間
外壁材は窯業系サイディングボードを使用されておりました。
窯業系サイディングボードとは、80%がセメント、20パーセントが繊維質、増量材で形成されております。工期が短く施工性がよく、またデザイン性の良さからも近年の新築物件の80%が窯業系サイディングボードといわれています。
主成分がセメントなので、表面の塗装による防水性が切れますと水がボード内にしみこみ、夏場の膨張、冬場の凍結で変形やそり、ひび割れを誘発してしまう恐れがあります。
新築で使用されるボードには工場で製造時にアクリル塗装がされた状態で出荷されるので、5~7年で防水性が低下します。その為、防水性を保つためには定期的な塗装が必要となります。
また、サイディングの継ぎ目やサッシの周りにはコーキング材が施工されております。
これが剥がれたり、破れたりすると劣化を早める要因となります。コーキング劣化の原因は、これに含まれる可塑剤と呼ばれる揮発性の薬品の寿命に起因しており、約5年で劣化します。
サイディングボードの診断を行う上での注意点としましては
- 苔・カビの発生はないか
- 表面の色褪せ、変色
- 塗膜の剥がれ
- チョーキングの有無
- 反り、膨らみはないか
- 割れ、欠落はないか
- コーキングの劣化
となります。
診断結果といたしましては、ボードが水を含んだことによるボードの反りが発生しており、隙間が何か所か発生しておりました。
また、コーキング材の断裂、劣化が進んでおり硬化が始まっている状態でした。
屋根に関しましては3階建てで上る事が出来なかったため、ポールにビデオカメラを装着し、その動画を携帯と連動させることにより、映像による診断を行いました。
大きな割れや欠落などは発生しておりませんでしたが、表面塗膜が劣化し、屋根材が水を吸っている形跡が残っており、また苔の発生も見られました。
見えない箇所に関しても、このように工夫を凝らし、撮影することにより、現状の把握を行い必要な工事を選択することが出来ます。
今回リフォーム図面を作成致しましたが、取得されておりました数社様の㎡数はどれも間違っている形となりました。コンピューターで作成することにより、しっかりとした㎡数を出すことが大切です。
御見積の㎡数が本来の㎡数より少なければ費用は安くなりますが、塗料が少なくなってしまい薄い膜厚となり、耐用年数が下がってしまいます。
逆に㎡数が多ければ、膜厚はしっかりしますが、費用が多くかかってしまいます。
やはり多くても少なくてもいけません。しっかりとした㎡数を出しましょう。
もちろん工事を行うには大きな費用がかかります。費用は大切です。しかし、大切なお住まいを守るために本当に必要な費用というものを把握するためには、しっかりとした診断及びリフォーム図面の作成が不可欠です。
ぜひ塗装工事をご検討されている方がおられましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
共にベストの工事を行いましょう。
点検箇所:外壁・屋根・屋根裏・バルコニー防水
実施日:平成30年2月15日
点検担当者:東山壮司
ご依頼のきっかけ:塗り替えセミナー
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