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黒川ブログ 第4回 代表的な下地と劣化現象
2020.1.22
【代表的な下地と劣化現象】
<モルタル>
砂(細骨材)とセメントと水で練り混ぜて作った材料で施工した外壁です。
サイディングが登場するまで住宅の外壁の主流でした。
仕上げの例として、ローラーでの塗装の他に
「吹き付けタイル」「リシン吹き付け」「モルタル吹き付け」等があります。
現場で材料を混合して外壁を形成するので、施工は天候に左右され、
乾燥の為の養生期間が必要なので工期が長くなります。
ひび割れが発生しやすく、防水性能も低いので、必ず塗装で保護する必要があります。
※モルタル外壁を形成して終わりではなく、その上に塗装仕上げを行います。
(不具合事例:チョーキング・膨れ・ひび割れ・汚れ)
<窯業系サイディング>
セメントなどの非金属原料を高熱処理して形成した建築外壁材であり、モルタル工法とは違い、現場で取り付ける。
養生期間が無く、天候に左右されにくいので、モルタル工法より手間がかからず短期間で工事出来るので、
近年急速に普及し、現在では住宅外壁のほとんどがこのサイディングを利用したものになってきている。
目地部に充填したシーリング材が劣化して痩せたり、ひび割れたりすると、
水の侵入経路になってしまうので対策が必要です。
(不具合事例:シーリングのひび割れ・開口部からのひび割れ・チョーキング・カビ・苔・反り)
<ALC軽量気泡コンクリート>
石灰質原料と珪酸質原料が主原料です。
これに発泡剤や混和剤を混合して形成し、養生硬化させた多孔質の軽量気泡コンクリートのパネル。
断熱性(気泡に含まれた空気が熱の出入りを妨げる)に優れており、
一般的にサイディングよりも耐久性が高いです。
(不具合事例:シーリングのひび割れ・開口部からのひび割れ・チョーキング・カビ・苔・反り)
【屋根材の下地と劣化現象】
<カラーベスト・コロニアル> 通称:スレート瓦
瓦と比べると軽く、施工しやすいです。
ですが、防水性が低いので、表面の塗料が薄くなると水分が染み込み、カビや藻が発生してしまいます。
(不具合事例:退色・カビ・苔・塗膜の剥離)
<金属屋根> 通称:シーガード
瓦などに比べて軽量の為、施工がしやすく耐震性も高いです。
錆びやすいので定期的なメンテナンスが必要。金属があり、蓄熱しやすいので断熱性は低いです。
(不具合事例:チョーキング・発錆による穴・膨れ)
<モニエル瓦>
カラフルで意匠性が高いのが特徴です。重くて断熱性には劣ります。
塗り替え時は高圧洗浄にて十分に表面の劣化したスラリー層(着色スラリーという着色剤の層)を
除去しなければ塗り替えた塗膜の剥離に繋がります。
(不具合事例:カビ・苔・塗膜の変色・割れ)