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外壁の材料にサイディングを使うメリットとデメリット
2019.5.17
近年、家の外壁にサイディングを使う人が増えています。
サイディングとはどんな外壁材なのでしょうか。
そこでこの記事では、相談を受けることの多い、「一般的な外壁材であるモルタルとの違い」や「サイディングを使うメリットとデメリット」を解説していきます。
■サイディングの外壁とは
従来の外壁は、壁に何かを塗って仕上げるのが一般的でした。
たとえば、何かの外壁の材料を張ってその上から塗料を塗ったり、左官屋さんが壁を塗って仕上げたりすることが多かったのです。
しかし、現在は何かを塗るのではなく、サイディングを外壁に張る工法が増えています。
サイディングは、工場で量産された素材を、現場に運んで外壁に張り付けるものです。
サイディングボードと呼ばれる、セメントや断熱材を組み合わせたボードなど、いろんな種類があります。
現場では張り付けるだけなので、工期が短縮できるというメリットもあり、しかも価格も安く耐候性にもすぐれているため、人気が高まっている外壁材です。
■サイディングのメリット
サイディングは見た目に特徴があります。
板を横に張り合わせていくので、壁に影ができてオシャレな外観になります。
見た目は輸入住宅のようにも見えて、普通の家とは違った雰囲気になります。
家は外壁である程度イメージが決まってしまうため、外観にこだわる人にはうってつけの外壁材と言えるでしょう。
これまでの塗り壁はひび割れなどがあると目立っていましたが、サイディングはひび割れしないので、いつまでもきれいなままの外壁を維持することができます。
また、サイディングは工場で量産されるので、品質は一定の水準を保つことができるため、現場の職人の技術によって出来上がりに差が出ることが少ないのも、メリットのひとつです。
サイディングには、窯業系、金属系、木質系、樹脂系などの種類があります。
この中で一番多く使われるのが窯業系サイディングで、硬質で耐震性や防火性にすぐれており、高密度なので遮音性もあります。
デザインもさまざまな種類があるため、どんな家でも合わせられるのも、サイディングの特徴といえるでしょう。
最近ではセルフクリーニング効果のあるサイディングもあり、雨水で汚れが落ちるのでメンテナンスに手間がかかりません。
また、汚れがつきにくいコーティングを施すことも可能なので、いつまでも変わらない美しさを保つことができます。
さらに、金属系のサイディングには裏に断熱材を張ったものもあるため、手軽に断熱効果の高い家を作ることができます。
■サイディングを使う際の注意点
サイディングの耐用年数は7年程度と言われています。
サイディングは吸水性の高い素材でできているため、塗装によって防水機能を持たせています。
そのため、塗膜が劣化すると雨水が侵入しやすくなり、家を傷めてしまいますから、7年おきくらいに外壁の塗装を見直し、メンテナンスする必要があります。
シーリングの劣化やチョーキングが見られるようになったら、メンテナンスの時期であると考えましょう。
チョーキングとは、塗料の原料の一部が粉状になって塗膜の表面に浮き上がったもので、これが出ると塗装の防水効果はほとんどなくなっています。
シーリングの劣化もチョーキング(手で壁を触ったときに白の粉が手につく現象)も目で見たり手で触れたりすればわかるので、これらの症状が見られたら、専門業者に診断を依頼することをおすすめします。
■サイディングのメンテナンス
サイディングは長持ちする外壁材ですが、それでも経年や環境の変化などにより、傷がついたり破損や劣化が目立ったりします。
このような状態になると、サイディングも補修が必要となります。
一番使われている窯業系サイディングは、目安として5年くらいで表面の塗装の劣化が始まります。
また、シーリングの張り替えや継ぎ足しが必要な場合もあるため、金銭的な負担も大きくなりますが、ドライジョイント工法などの新しい施工法が開発され、メンテナンスは以前よりずっと簡単になっているようです。
ちなみに、シーリングとはサイディングボードをつなぐ素材で、シーリングを隙間なく詰めて防水性を高めるものです。
シーリングの施工が十分でなかったり劣化したりすると、雨水が壁の中に侵入して家の耐久性を損ないます。
また、窯業系サイディングは熱がこもりやすいので、断熱塗料を塗るなどして夏場の暑さ対策をする必要があります。
外壁材はサイディング以外にもいろいろありますが、どれを選ぶかは施工時にかかる自分に合う費用感だけでなく、その後のメンテナンスの費用や断熱効果などの条件も考慮した上で決めるといいでしょう。
外壁工事は雨や風などの天候により、予定より大幅に伸びることがあります。
外壁工事の足場がいつまでも組まれていると、近隣から迷惑がられることもあるので、完成の時期をあらかじめ伝え、工事の前に近所への挨拶はしっかりやっておきましょう。
■他の外壁材との違い
少し前までは、外壁材と言えばほとんどがモルタルでした。
モルタルは手軽な素材のように見えますが、施工には意外と時間がかかり、費用もそれほど安くありません。
さらに、モルタルはひび割れしやすく、劣化が早いのも難点でした。
そこで、サイディングが開発されるとしだいにモルタルの需要が減って、外壁にサイディングを採用する人が増えていきました。
モルタルは火に強いので、アパートなどの建築素材としても長年使われてきたものです。
ただし、モルタルは何度も塗る必要があるため、施工に時間がかかり費用も高くなるというデメリットがありました。
この点では、サイディングは板状の素材を張っていくだけなので、施工に時間がかからず経費も安く上がります。
しかも軽量で耐久性もあり、防火性も高いので徐々に普及していきました。
■サイディングの種類
サイディングには複数の商品があるので、家のデザインや好みに合わせて選択することができます。
色や柄はさまざまですが、サイディングを素材で分けると窯業系、木質系、樹脂系、金属系の4種類になります。それぞれのポイントやコストの面などの内容を比較していきます。
「窯業系サイディング」
もっとも多く使われており、一般的なサイディングで、セメント質の素材を原料として作られています。
施工しやすく工期が短縮できるため、費用が抑えられるメリットがあります。
サイディングには防水効果がなく塗装で補う必要がありますが、最近では防水効果のある素材も開発されています。
「木質系サイディング」
材木の表面に塗装を施したものです。
天然木の表面を炭化処理したものが多く、雰囲気のある外壁が作れるのですが、木製であるため耐火性能は他のサイディングより劣ります。
しかし、最近では不燃処理を施して、耐火性能を向上させたタイプも増えています。
外壁全体を木質系で覆ってもいいのですが、部分的に使用しても味わいのあるおしゃれな家作りが楽しめます。
「樹脂系サイディング」
塩化ビニル樹脂でできたサイディングです。
北海道や東北地方などの寒冷地で多く用いられている素材で、耐冷害性にすぐれています。軽量なので運搬が楽で、施工期間も短縮できるのが特徴です。
撥水性がいいので雨水が侵入する可能性もほどんどなく、錆が発生することもありません。樹脂系サイディングは表面塗装ではなく、原料の中に顔料が配合されているので、再塗装の必要がなく、メンテナンスが楽なのも大きなメリットです。
さらに衝撃に強く、破損した場合もその部分だけの張り替えで済むので手間がかかりません。
「金属系サイディング」
金属系サイディングは、金属板と裏打ち材でできています。
裏打ち材には断熱材が使われることが多く、断熱効果が向上するとともに遮音性も高まります。
軽量で扱いやすく耐水性にすぐれた素材です。
ちなみに、金属サイディングにはスチール系、アルミ系、ステンレス系の3種類があります。
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