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モルタルの外壁の塗装の種類ときれいに仕上げるための工夫
2019.5.10
モルタルの外壁が劣化してきたら、塗装はどう行うのでしょうか。
また、どのタイミングで塗装するのかも気になるところです。
モルタル外壁の塗装について見ていきましょう。
■モルタルとは
モルタルは、セメントと砂と水を混ぜて作ったものです。
モルタルは防水性が低いので、表面に塗装して防水性能を上げています。
このため、表面の塗装が劣化してくると、モルタルが水分を吸収して構造的に弱くなってしまいます。
つまり、外壁を長持ちさせるためには、しっかり塗装してモルタルのメンテナンスをする必要があるのです。
モルタルはひび割れしやすいため、ひびをカバーするための弾性塗料が使われます。
■モルタル仕上げの種類
モルタル仕上げには、いくつかの種類があります。
それぞれ特徴がありますので、次にご紹介しましょう。
「リシン仕上げ」
細かく砕いた石にセメントや樹脂を混ぜ、着色して吹き付けるものです。
表面がザラザラしているため、汚れがつきやすいので最近はあまり使われなくなりました。
「スタッコ仕上げ」
セメント、合成樹脂エマルジョンと石を混ぜたものを吹き付けます。
また、コテで塗ったりローラーで塗ったりする方法もあり、ローラーを使うと表面に凹凸を作ることができます。
スタッコとは化粧漆喰のことで、消石灰に大理石の粉や粘土の粉を混ぜたものです。
「吹付けタイル仕上げ」
けい砂、寒水石などを樹脂と混ぜ合わせて、タイルガンと呼ばれる塗装機で吹き付けるものです。
「左官仕上げ」
コテを使って左官職人が仕上げるものです。
職人の技術によって出来上がりが左右されますが、手作り感のある仕上がりは人気があります。
■モルタル外壁の塗装
モルタル外壁の塗装には、単層弾性塗装、複層弾性塗装、微弾性塗装があります。
弾性塗装は従来の塗装の10倍も厚く塗り、ゴムのように伸びる特性を生かして、外壁にひび割れが生じても塗膜がひびを覆って水の侵入を防ぎます。
単層弾性塗装は、下塗り後上塗り塗料を2回塗って仕上げます。
複層弾性塗装は、下塗り後に高弾性の塗料を2回塗り、上塗りを2回行います。
ちなみに、微弾性塗料は弾性塗料と普通の塗料の中間的な性質の塗料で、近年微弾性塗料を使った塗装が増えています。
複層弾性塗装は8年~10年持つといわれますが、塗る回数が多く手間もかかる上に塗料もそれだけ使います。
そのため、どうしても費用がかかってしまうので、一般住宅ではあまり使われません。
単層弾性塗装は塗る回数が少ないため費用も安く工期も短いのが特徴です。
ただし、弾力性は複層弾性塗装の3分の2程度しかなく、防水性も低下してしまいます。
■モルタル外壁塗装の注意点
モルタル外壁には、リシン仕上げやスタッコ仕上げなどのように、独特の味わいのある仕上げ方法があります。しかし、そこに塗料を塗ってしまうと、表面が均一になって独特の凹凸が消えてしまいます。
モルタル外壁を補修したいけど元の風合いを残したければ、シーラーを使って塗るか塗装ではなく再吹き付けにする方法もあります。
モルタル外壁を塗装する前に、古い塗膜をきれいに取り除き、高圧洗浄などで汚れも洗い流しておきましょう。
きれいに再塗装するには、このような事前準備が必要です。
■劣化状態の見極め
モルタル外壁の塗装が必要かどうかは、劣化状態を見て判断することになります。
しっかり診断するためには専門業者に依頼する必要がありますが、ある程度の判断は自分ですることも可能です。
そのためには、外壁表面のクラックの状態や、チョーキングの有無を確認する必要があります。
表面にクラックと呼ばれるひび割れが発生すると、そこから雨水が侵入して腐食が進みます。
「ヘアークラック」
幅0.3mm以下、深さ4mm以下のクラックをこう呼びます。
この程度のひび割れなら緊急性はありませんが、放置しておけばさらにひびが深くなるおそれがあります。
ヘアークラックの補修は、弾力のある塗材をひび割れに塗り込んで隙間を塞ぎます。
「構造クラック」
幅0.3mm以上、深さ4mm以上のクラックです。
ここまでひび割れが進行すると、雨水が侵入して鉄筋を錆びさせることもあるため、家の構造に影響を与えるおそれがあります。
構造クラックは、弾力のある塗材や塗料を塗って補修します。
「チョーキング」
外壁に触ると白い粉が手のひらにつく状態です。塗料に含まれる顔料などが粒上に固まったもので、こうなると塗膜の機能がほとんどなくなっているため、すぐにでも塗り替えが必要です。
この状態を放置しておくと、モルタルに浮きや剥がれが起きるようになり、最悪の場合モルタルが落下することもあります。
モルタルは、クラックやチョーキングのような目に見える異常がなくても、新築から10年を目安に塗り替えを検討したほうがいいでしょう。
■クラック発生の原因
クラックには、塗膜が破れて起きるものと、外壁材にひび割れが起きて、塗膜が耐え切れずに破れてしまうものがあります。
外壁材に起こるひび割れは、多くの場合、経年変化による劣化が原因となっています。
これはどうしても避けられないもので、表面の塗膜はこのひび割れを覆って、雨水が侵入しないように保護するために必要なのです。
「ヘアクラックの原因」
塗膜に発生するヘアクラックは、塗膜の劣化によって起こります。
日光や紫外線が原因となることが多く、風雨にさらされることもヘアクラックの誘因となります。
ヘアクラックが発生する時期は、塗料の種類や塗装技術によっても違ってきます。
塗料の耐用年数と比べて塗膜の劣化が早すぎる場合は、塗料の乾燥時間が正しくなかったり、外壁材と塗料の相性が悪かったりすることが考えられます。
また、このほかに塗装した職人の技術の稚拙や、手抜き工事の可能性もないとは言い切れません。
「構造クラック」
家の構造に影響を及ぼしかねない深いクラックのことです。
早急に補修を行わないと、雨水の侵入を許し、外壁の腐食や家の骨組みの劣化を招くおそれがあります。
構造クラックが起きたら、素人判断はやめて専門業者に診断を依頼するほうがいいでしょう。
構造クラックの多くは、塗膜の劣化だけでなく外壁材のひび割れが原因となっています。
こうなったのは、家が何かの衝撃を受けたために、歪みが発生している可能性があります。地震の影響や土地の陥没、地盤沈下などの可能性も考えられるため、総合的に診断する必要がありそうです。
また、ヘアクラックを放置したために、構造クラックにまで拡大してしまったケースも考えられます。
いずれにしろ、構造クラックが起きたら、早めの対応が必要となります。
■クラックが家に及ぼす影響
外壁は風雨や紫外線から家を守っています。この外壁にクラックが入ると家の中に雨水が侵入するため、構造を弱くして家そのものを劣化させるおそれがあります。モルタル外壁のクラックは気づきにくい場合もあり、知らないうちに雨水が侵入していることもあります。
長い間この状態が続くと、木製の柱や土台だけでなく、鉄筋の構造物にも錆が発生して強度を弱めることにもなりかねません。そのため、外壁は定期的に目視で確認し、手で触るなどして外壁表面の状態を把握しておく必要があります。
また、外壁の表面に塗る塗料の種類によって耐用年数が違いますが、おおよその基準として10年たったら塗り替え時期と考えましょう。特に外壁に異常がなくても、前回の塗り替えから10年たったら、専門業者の診断を受けることが、家を長持ちさせることになり、その家に住む人の健康的な生活を守ることにつながります。
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